玉ねぎやチョコレートが犬にとって危険な食べ物だということは、多くの飼い主さんが知っていますよね。
でも、数ある食べ物の中には、「これって、愛犬に食べさせても大丈夫なの……?」と判断に迷ってしまう食材もあるのではないでしょうか?
今回は、「犬は牛乳やヨーグルトは好き?下痢をするので危険」について、犬に与えても大丈夫かどうか、徹底ジャッジしていきますよ!
目次
犬は牛乳やヨーグルトは好き?下痢をするので危険
牛乳は、犬にとってできるだけ避けた方がよい飲み物です。
犬は、ミルク類に含まれている乳糖の分解が苦手な「乳糖不耐症」の子が多いのです。
ミルク類の中でも、特に牛乳には乳糖が多く含まれています。
牛乳を飲んだわんちゃんには
- 下痢
- 軟便
- 腹痛
- おなかの張り(コロコロ鳴る・オナラが増えるなど)
といった症状がみられることがあります。
愛犬のおなかの健康を守るためには、乳糖の少ないヤギミルクやラクダミルク、犬用ミルクがおすすめです。
これらのミルク類は、牛乳に比べて脂肪分も控えめなので、肥満気味のわんちゃんにも安心して与えられるでしょう(1日の給与量は守りましょう!)。
ただし、脂肪分の少ないミルク類は、わんちゃんによっては物足りなさを感じて飲んでくれない場合もあります。
ヤギやラクダのミルクの価格は安くはありませんので、愛犬に初めて与える時には「お試し」として少量のものを選ぶと安心ですよ。
生卵
わんちゃんに大人気の食材「卵」。
わんちゃんの中には、「生卵が大好き!」という子もいますが、愛犬の健康を考えると卵の生食はおすすめできません。
特に、卵の白身単独での生食は避けるようにしてください。
ビオチン不足になったわんちゃんには、皮膚炎や脱毛などがみられるようになります。
このアビジンの働きを抑える方法は簡単。卵を加熱すればいいだけです!
「それでも、どうしても愛犬に生卵を食べさせたいの!」
という飼い主さんは、白身と黄身を一緒に与えるとよいでしょう。
卵の黄身にはビオチンが豊富なため、アビジンによるビオチン不足を補ってくれるのです。
ただし、生卵にはサルモネラ菌中毒のリスクもゼロではありません。わんちゃんに生卵を与えなければいけないよっぽどの事情がない限りは、火を通した方が安全です。
加工肉
- ハム
- ベーコン
- ウインナー(ソーセージ)
などの加工肉を犬に食べさせることも、避けたほうがよいでしょう。
加工肉で最も心配なのは塩分。
汗をあまりかかないわんちゃんたちは、私たち人間ほど多くの塩分を必要としません。
塩分の摂りすぎは、愛犬の腎臓に負担をかけたり、高血圧や心臓病の原因にもなりかねません。
また、加工肉に添加されていることの多い保存料や発色剤、着色料などによるアレルギーも心配です。
市販されている犬用のハムや、愛犬用に手作りした自家製ハムなどは、もちろん与えてもOKです。
魚のお刺身
お刺身(生の魚)は、犬に与えたくない食べ物です。
魚に限らず、生の魚介類はチアミナーゼ(アノイリナーゼ)という成分を含んでいます。
このチアミナーゼには、わんちゃんのビタミンB1(チアミン)不足を引き起こすリスクがあるのです。
ビタミンB1が不足すると
- 疲労感
- 筋力低下
- ふらつき
- 目の異常
などが現れ、心臓肥大など深刻な状況にもなりかねません。
火を通せばチアミナーゼの働きは失われますので、愛犬に魚を与える際には加熱したほうがよいでしょう。
犬に与えてもOK!ただし注意も必要です!
ヨーグルトやチーズ
ヨーグルトやチーズは、わんちゃんに与えてもOKな食べ物です。
「牛乳から作られているのに、犬に食べさせても大丈夫なの?」
と不安になる飼い主さんもいるかと思いますが、ヨーグルトやチーズは製造過程で乳糖の多くが取り除かれているため、おなかを壊す可能性が低いのです。
ただし、ヨーグルトは糖分に、チーズは塩分に要注意!
人間用のヨーグルトを与えるのであれば、プレーンヨーグルトを。
チーズなら、塩分も脂肪分も少なめなカッテージチーズが特におすすめです。
犬用に作られたヨーグルトやチーズも、糖分や塩分に配慮されているため安心して与えられますよ。
ショウガ
意外に思うかもしれませんが、ショウガ(生姜)は少量であればわんちゃんに食べさせられる野菜です。
ひとつまみ程度のすりおろしショウガを愛犬のごはんに加えてあげると、食欲アップや体を温める働きが期待できますよ。
ニンニクや長ネギと一緒に薬味として使われることが多いせいか、「ネギ類の仲間でしょ?」と警戒されがちなショウガですが、ショウガはネギの仲間ではありません。
ただし、ショウガはピリピリとした刺激が強く、繊維質も多いため、与えすぎには注意しましょう!
ハチミツ
ハチミツは、愛犬が成犬(高齢犬は除きます)で健康であれば、少量程度なら与えても大丈夫です。
わんちゃんは甘いものが大好きな子が多いので、ごはんの食いつきが悪い時に風味付け程度にハチミツを加えてあげることで、食欲アップが期待できるでしょう。
ハチミツがNGなのは、子犬や高齢犬、体が弱っているわんちゃんなど。
こうしたわんちゃんたちは、体力がなかったり、免疫力が落ちている子が多いため、ハチミツの中に混入している可能性のあるボツリヌス菌で中毒を起こすリスクが高いのです。
ボツリヌス菌は、「自然界最強」ともいわれる毒素です。
わんちゃんがボツリヌス菌中毒を起こすと
- 元気の消失
- よだれの増加
- 歩行の異常
- 呼吸困難
など、重い症状が現れる危険性があります。
まとめ
わんちゃんに与える際に迷いがちな食べ物についてみてきました。
牛乳やお刺身がNGだったり、ショウガがOKだったりと、「意外な発見があった!」という飼い主さんもいるのではないでしょうか?
わんちゃんたちにとって、食べることは大きな楽しみのひとつです。
愛犬の健康維持に役立つ食べ物は、量や選び方、わんちゃんの体調などを考慮しながら取り入れて、日々のごはんに変化をつけてあげるのもいいですね。